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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第6章 そして甘い口づけを
全てを話し終える頃、四人は家に到着した
車を停めても、誰一人降りようとはしない
「それから、彼女の噂は益々酷くなった。今回はたまたま凪がターゲットにされたのさ」
「ひどい……」
陽菜乃は軽蔑するように言った
そして心配そうに美和の方を振り返る
その視線に気付き、美和は気まずそうに微笑んだ
「ゆかりさんがどういう人かはもういいの……凪はどう思ってたのかな……」
その呟きに、陸がおずおずと口を開いた
「あの……信じるかどうかは美和ちゃんの勝手なんだけど、凪は最後まで美和ちゃんのことを考えてたって……ゆかりさんが」
「そんなの信じられるわけないじゃん!」
陽菜乃が怒鳴るように言う
「僕はそうは思わないよ、陽菜乃。
凪は確かに未熟だったけど、美和ちゃんを捨てられるほど馬鹿じゃないし、強くもない。美和ちゃんをいつも求めてた。違う?」
陸は半ば自分に対して問い掛けるように言った
「その一途さが彼女の興味を誘ってしまったんだけどね……」
それだけ呟くと、また重苦しい空気にならないように
「さっ、もう出よう。起こってしまったことは仕方ないから、とにかく今日は皆休んで、明日また考えよう」
わざと明るく振る舞った