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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第6章 そして甘い口づけを



その言葉に三人とも車を降りる



「陽菜乃、美和ちゃんと先に行ってて。僕はコイツを連れていくから」



陽菜乃は小さく頷き、美和と共にアパートの中に入って行った

陸も後部座席のドアを開け、凪を再び抱えようと手を伸ばした



ビクッ



「……起きてたのか」



自分の手に反応するように震えた凪を見て陸は驚いた様に言った



「……ああ」

「立てるか?」



兄の問い掛けに答えるように体を起こす凪だが、思うように動かせない



「無理するなよ」



と、肩に回された陸の手に



「ッ…!」



再び不自然に反応する凪



「ハァ…ッ」



ゆかりに飲まされた酒と媚薬がまだ抜けきっていないのだ



「ゆかりさんに聞いたよ。あの人も強引だよな」



陸は突然凪の上に覆い被さった



「!?」



押し倒される形になり目を見開く凪だったが、何のことはない、運転席のドリンクホルダーに手を伸ばしただけだった



「ん? なんだその顔。変なことでも考えたか?」

「抜かせっ」



凪は少し顔を赤らめながら差し出された水を奪う



「……おい」



ペットボトルを見つめたまま険しい顔つきになる



「何? あぁ、毒なんか入れてないよ」

「ちげーよ! これ飲みかけじゃねぇか!」

「贅沢言うなよ〜」



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