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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−
2月3日、朝6時−−−
“全然寝れなかった……”
今日は凪との初デートの日
彼らの学校はこの日入試があるので、在校生は係を除いて休みだ
“凪もだいぶ落ち着いてきたみたいだし”
体調のことではない
あの日病院で起こった出来事、彼は一見普通に振る舞っていたが、美和は凪が気にしているのを分かっていた
ここ何ヵ月、キスもないから−−−
微笑むときもどことなく申し訳なさそうで、軽く頭を撫でていくだけ
“繊細なのは変わってなかったんだ”
美和は中学の頃の、まだまともだった凪を思い出していた
美和も美和なりに気を使ってきた結果、最近ではもとの高慢な感じに戻ってはきているが……
デートに誘ったときも、少し渋い顔をしていた
「3日、さ……せっかくだからどっか行かない?」
思い切って言ってみる
「どこかって……どこに」
「……えー……海、とか?」
「海?」
凪は季節外れのワードに少し笑う
「なんで海なんだ?」
「だって、凪遊園地とか嫌いでしょ? ジェットコースターとか」
凪は少し黙ると、
「別にジェットコースターが嫌いなわけじゃねぇよ。人が多いのが嫌なんだ」