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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第7章 さようなら
文化祭が終わると、めっきり寒くなる
もうマフラーと手袋を手放せなくなっていた
「もうイルミネーションしてる。早いね」
「こっちはクリスマスどころじゃないよー(泣)」
もうすぐ期末テスト
「美和ちゃん、お願い教えて!」
「いいけど……いつもみたいにヤマかけたりしないでね」
「そ、それは……」
無理かも、と苦笑する
美和は少し呆れるが、陽菜乃の大変さもわからなくはない
異常なまでに優秀な兄を二人も持つ陽菜乃
決して彼女の頭が悪いわけではないが、彼らの前では霞んでしまう
「お母さんたちは気にするなっていうんだけどね、やっぱりちょっとコンプレックスかなー」
少しため息をついた
「そういえば今日お兄ちゃんは?」
「サボりすぎて先生に呼び出されたみたい。ほんと馬鹿だよね」
怒ったように言う美和を陽菜乃はにこにこと見つめる
「な、なに?」
「ううん、なんでも」
美和は不思議そうに首を傾げた
「ねぇ、プレゼントはどうするの?」
「プレゼント? 誕生日の?」
「うん、兼クリスマス」
凪は12月生まれのため、クリスマスと誕生日は大抵一緒にされる