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スレイブ・プレイ! 氷華女子大学アイスホッケー部 愛奴化計画
第11章 挟撃の巨チン、プライドの二本挿し
(しつこいっ……)
優にパスを出した後、翼花は自分についた氷裂のディフェンスを振り切れずにいた。ここまで攻め込んで得点のチャンスだというのに、ゴール前への進路を巧みに塞がれるのだ。
パックをキープしていない選手の動きを妨げるのはインターフェアランスといって本来反則なのだが、アイスホッケーは慣性のスポーツである。大地にしっかりと脚をつけて行われる競技と違って、大目に見るしかない場合も多々ある。
体のぶつけ合い然り、判定にはグレーなゾーンがあり、目の前のこのディフェンダーはそれが巧いのだ。
「くっ……」
翼花に焦りが生まれる。
ディフェンダーの位置から上がってくる際には長い助走距離のおかげで加速をつけられるが、接近戦となってしまうと軽量の翼花は分が悪い。
だが、こんな時いつも彼女を助けてくれるのは祖父の言葉だった。
――敵進めば我退かん、敵退かば我追わん(ディージンウォトイ・ディートイウォジュイ)じゃ、小翼(シャオイー)……
今は亡き祖父。だが、プレイが上手くいかない時に優しく微笑んで教え諭してくれる面影は翼花の心の中に生き続けている。