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スレイブ・プレイ! 氷華女子大学アイスホッケー部 愛奴化計画
第1章 プロローグ 氷室雪希
立ち上がり、エッジの接地感覚に違和感がないかを確めると、今度は上半身にとりかかる。肩も含めて体全体を防護するショルダーガードを取り付け。肘にはエルボーパッドを巻く。
スリムな体つきが防具によって厚みをつけられ、そのプロポーションの凹凸が強調された状態はある意味、裸よりもセクシーなのだが、それがリンクの上で人目に触れることはない。そこから更に、ぶっかりとしたジャージの上下に身を包んでようやく、アイスホッケーの選手らしく見える姿となる。
ジャージの中に潜った長い黒髪を後衿からふぁさりと引き出し、ファイアー・ペイントのヘルメットをかぶってフェイスバイザーを降ろす。そして、雪希は最後に厚いグローブを嵌めて、スティックをその手に取った。
握りの部分と、パックを打つブレイドの部分の、ピンクのテーピングは彼女のトレードマークだ。
――戦闘準備、完了。
こうして自分は出来上がる。
氷華女子大学アイスホッケー部《ブリザード・ブリンガーズ》を率いるキャプテン、背番号9、センターフォワード氷室雪希(ひむろ・ゆき)の完成だ。
「……よし」
静かに呟くと、雪希は輝く白銀のリンクへと向かうべく、通路へと足を踏み出し……そこで異変に気付いた。
――アアンッ! んん、はぁっ!
どこかから聞こえてきたそれは、女の声。
妖しく切ない喘ぎだった。