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社内恋愛のススメ
第2章 社内恋愛のお誘い
夜、いつものように残業をし、会社をでたのが夜9時半。
駅まで歩いていた時、後ろから走ってきた車が減速し、ハザードを点けて停まった。
左側の窓が開く。

「辻本」

「北川さん…」

「帰りなら乗れよ。家、西宮だろ?同じ方向だ。」

「いいんですか?」

「良くなかったら停まらないよ。」

それもそうだ。
お言葉に甘えて、助手席のドアを開ける。

「失礼します」

「煙草臭いか?」

「大丈夫です。」

「ま、喫煙ルームで飯食ってるくらいだから大丈夫か。」

シートベルトを締めたのを確認し、北川さんは車を発進させた。

「北川さん、車通勤でしたっけ?」

「いや。今日は偶々。」

「車、何処に置いてたんですか?」

会社の駐車場は重役用と社用車の分しかなかったはず…

「吉田の社用車のとこ。出張行ってるの知ってたから。周りのヤツに断っときゃ別に問題ない。」

そういうテがあったのか。
ま、そのお陰でその恩恵に預かれてるわけだけども。
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