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その恋受け取ります
第2章 天敵、現る
突然切り込んできた声の主を、みないっせいに振り返る。
そこに立っていたのは佳織。
唇の片方の端を吊り上げて、不敵な笑みを浮かべて未和と目を合わせた。
「ちょっと早川さん!人聞きの悪い事言わないでくださいよ!
嘘つきって、それひどくないですかぁ!」
頭から湯気でも出そうな勢いで佳織にくってかかる。
するとあっさりとその怒りをかわして佳織は薄ら笑いを浮かべた。
「興味ない事ないだろ?じゃあなんで2人っきりが恥ずかしくて
アタシの後追っかけてきたんだよ?
意識しちゃったからだろーが」
未和は悔しそうに唇をへの字にまげ、鼻から荒い息を噴き出した。
そんな2人のやり取りを、おそるおそる見ていた3人の女子は、
徐々に後ろに下がっていく。
慌てて凜子が仲裁に割って入った。
「まぁまぁお2人とも、落ち着いて・・
とりあえずスマ送さんがイケメンだってことは、わかりましたから。
後は自分たちで確かめます。だらか2人とも仲直り!」
言いながら凜子は未和と佳織の手を取って、子供をあやすように揺さぶった。
不穏な空気が蔓延したが、時計の針はそんな女子たちを救ってくれた。
「あ、朝礼はじまりますよ、さ、行きましょ」
夏奈の声に、5人はいっせいに動き出した。