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その恋受け取ります
第3章 イケメン嫌いの理由
作業場を片付け、ひと段落つくと未和は、
自分のデスクに戻りマイボトルのコーヒーをすする。
すすりながら心は上の空に近かった。
・・もうすぐ・・来るな・・だからなに?そりゃくるよ、仕事なんだから・・
その時、ポンポン、と肩を叩かれた。
意識中途半端な顏で振り返ると、意地悪ばあさんが立っていた。
佳織だ。
佳織は何も言わずに自慢の腕時計を未和の鼻先につきだし
指でコツコツとはじいて見せた。
ロレックスの、シルバーカラーの腕時計。
「な、なんですか?早川さん」
「ん?もうすぐスマ送さんが来る時間だねぇって思ってさ。
まあ忘れちゃいないだろうけど」
佳織の不敵な笑みに、未和は最初は怒ろうと思ったが、
だんだんとばかばかしくなってきた。
そう、佳織に反撃すればするほど、
自分の気持ちが勝手にあの男にむかっていたから。