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その恋受け取ります
第3章 イケメン嫌いの理由
未和はわざと甲高い声をあげ能面のような無表情を作りながら、
「そうですねぇ~もう来ますねぇ~あ~うれしいうれしい」
と、完全に人を馬鹿にしたような態度で言い放った。
これにはさすがの佳織も勢いを砕かれた。
そして攻撃を、やめた。
「わかりましたよ、もうスマ送さんを薦めたりしませんよ、申し訳ございませんでした」
あっさりと、まるで人が変わったかのような態度で
潮が引くようにススッと後ろに下がって、
そして自分のデスクへと戻っていった。
しらっとした顔つきで書類に目を通している佳織の様子を伺いながら、
未和は心の中にモヤモヤした雲が垂れ込めてきたことに気がついた。
・・怒っちゃったかなぁ早川さん・・でも、あの人がしつこいから・・それに・・
いくら先輩に言われても、叶う可能性の低いことに真剣にくらいつくなんて、
時間の無駄で心を擦り減らしてしまうだけだと、未和は自分に言い聞かせた。
なにも私が気にすることは無い。
早川さんだってからかい半分なのだろうから、と。
もう一度佳織に視線を送ってから未和はコーヒーを飲みほし、
在庫の確認にいかねばと立ち上がった。