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その恋受け取ります
第3章 イケメン嫌いの理由
5時を少し回ってから、スマイル運送のトラックが出入口前に横付けされた。
エンジンを切る音は未和の耳には届かなかったが、
作業を終え事務室に戻ろうとした時に、平野悠月に出くわした。
「毎度どうも」
悠月の笑顔はどう見ても色気がある。
それは認める。認めるけど・・
私には関係ないし・・
「お疲れ様です、お願いします」
さらっと挨拶してすぐに、未和は悠月に背を向けた。
そして歩く速度を速めた。
「あの!すみません!」
背後から投げつけられた声に振り向く。
「なにか?」
どちらかというと冷えた声で答える未和。
「送り状の控えは?受け取ってくれないんですか?」
「ああ、そこの台の上の箱の中に入れておいてもらえれば。ではお願いします」
ぺこりと頭を下げ、そのまま体を返すと
すり足でその場を逃げるようにして離れた。