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その恋受け取ります
第1章 まだあきらめて・・ないけど・・

ここは輸入雑貨の販売会社。
3階建ての小さなビルにオフィスと倉庫を併せ持ち、
社長を含め24人ほどが働いている。
小さい規模ながらも自社ショップを全国に20店ほど持ち、
それ相応の給料とやりがいに、岩倉未和はこの仕事に満足していた。
未和の所属する物流部は、各店舗に受注の商品を発送するのが主な仕事だ。
その他には取引している業者との納期のやり取りだの商品の検品だの、
いわゆる現場仕事だ。
だからもちろん肉体労働からは逃れられない。
佳織の言ったように、無理をすると体に堪える。
2年前までは難なくこなせたことが、最近では一息も二息もつかなければ
出来なくなってきたのは事実だ。
10キロ近い荷物なんてちょっと踏ん張れば倉庫の端から端まで運べたのに、
今じゃ2メートルをカニ歩きするのがやっとになってきた。
悔しいけど・・
佳織に反撃はできない・・
そしてさらに悔しいけど反撃できない事、それは・・
独り者、ということ。

