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その恋受け取ります
第5章 事件勃発!
「ねぇ、もう1時過ぎたのにまだ昼飯食べてないんだよ?
このまま帰されちゃうの?オレ」
お腹に手を当て、わざと苦しそうに顔をゆがめる男に、未和はあわあわと手を揺らす。
「そ、そうですよね、スミマセン!気が利かなくて・・あの、お昼食べましょう!」
取引先の失態の後始末をしてもらって、おまけに食事時なのに
そのまま帰したと佳織が知ったら、それこそ耳元で怒鳴られる。
「あの・・なにか食べたいものとか好きなものとか、ありますか?」
その言葉ににっこり微笑み返した悠月は、待ってましたとばかりに声をあげる。
「海岸線沿いにさ、絶景を眺められるイタリアンの店があるんだって、調べておいた。
そこ行こう。行きたい!」
「え~?」
「え~ってなに?」
「あ・・いえ・・なんでも・・じゃあそこに」
心の中では、そんなデートでいくみたいな店に2人で行くなんて気が重い、と思っている。
笑顔がいつの間にか苦笑いになっている未和の背中を
悠月はそっと押して、早く行こうと急かした。