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その恋受け取ります
第2章 天敵、現る
「あの、私もお名前伺いたいんですけど?」
少し笑いを含んだ声に我に返った。
「え?ああ!そうですよね、すみません!
物流部の岩倉未和と申します。よろしくお願いいたします」
「岩倉未和さん・・よろしくお願いします」
こんなにじーっと男に、それもこんないいオトコに見つめられたのは何年振りだろう。
きれいな二重の瞳に、未和は吸い込まれそうな感覚に襲われ、
体が斜め前にかしいでいることにさえ気づかなかった。
「あの、岩倉さん?」
とろみのある声に再び意識を取り戻す。
「は、はい!なんでしょう?」
「荷物・・よろしいですか?」
足元に並ぶ段ボール箱をちらりと見てから未和の瞳に微笑みかける。
「あ、はい!すみません!お願いします」
どもりがちに応えると、もう一度にっこりと笑い返された。