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愛し愛され
第5章 彼女、となったひと

結局、さほ子とセックスはできなかった。
ベッドにまでは入ったものの、博人のペニスが勃起しなかったからだ。
さほ子はそれをいとおしげに愛撫し、「気にしないで」と彼を慰めた。
博人にしても、想像したよりもはるかに、精神的ダメージが少なかった。それは年をとって羞恥心が薄れたせいなのか、それともさほ子と二度と、こんな風にベッドに入ることがなくなったという事実の重さのせいなのか、こころのなかで測りかねた。
そして、博人のなかで「さほ子」は「彼女」になった。
彼はもう、真夜中のベッドの中で、彼女を思って自慰することがなくなった。

