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愛し愛され
第7章 夕暮れのくちづけ

「本当は、セックスだってどうでも良かったのかも知れない。ただ、こうして、肩を並べて、気軽に話す時間が、一番欲しかったのかもね。でもそういうの、全然思いつかなかったよ。これっぽっちも発想できなかった。あなたに振り向いて欲しくて、必死だった」
「もう、」思わずさほ子は口にした。「もう、そんな風には思えないの?」
「あなたの前で裸になって。あんなに欲しがったあなたと、でもセックスできなくて。けど、不思議と惨めな気持ちはなくて。自分でも変な感じだったよ。酒に酔ったみたいにさ。けどね、そのとき気づいたんだ。自分が必死だったことに。あなたに似つかわしい男であろうとして、無理をしていたことに。勃起しないおちんちんが、そう、教えてくれたんだよ。お前には、無理だ、ってさ」
「どうしてそんな風に思うの?」
「うん。勝手だよね。もしかしたら今でも、あなたの前では、リラックスして振舞えないのかも。無理に格好つけたり、いい人ぶっていたいのかも」
言って、博人はうんうん、と自分の言葉にうなずいた。
「縁がなかったって言えば、すごく薄っぺらいけど。でもね、いまは、すごくニュートラルな気持ちでいられるよ。リラックスできてる」
「うん」
「愛の告白、しようか?」ニヤリと笑って、博人は言った。「すっごい熱い奴がいい? それともラフな感じがいい?」
さほ子は笑った。本当は泣き笑いだったけど。「馬鹿ね。あなたって」からからと、のどを上げて笑った。

