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愛し愛され
第2章 寒山寺の鐘の音
新市街の港を見下ろす、香港資本の高級ホテル。27階からの、火曜日の午後の港。メイルをもらったその部屋で待っていると、時間通りにチャイムが鳴った。
さほ子はソファから立ちあがり、鍵を開けてあの人を迎え入れる。
ひさしぶり、も、元気だった、もなく。
そういうのを言ってしまうと、いまから濃密なセックスをするのだ、という澄んだ気持ちに邪魔が入る気がして。
何も言わずにあの人の手を引いて、ベッドサイドに立ってもらう。自分は彼の前に跪(ひざまず)き、スラックスのチャックを下す。そして下着の中に手を入れて、まだやわらかなあの人のペニスを取り出す。唇で触れてしまうと夢中になってしまうのがわかっているから、そうする前に胸いっぱいにあの人の匂いをかぐ。深い深い、秋の森の香り。甘く鼻をくすぐり、そして理性をとろけさせるほど香ばしい、あの人の性器の匂い。
それからゆっくりと舌先で先端をねぶり、唇ですいつき、歯で甘噛みする。あの人のペニスはやがて、とても硬くそして大きく勃起する。