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第8章 そのはち

カメラがスタンバイする。

『はい、スタート！』
監督が撮影の狼煙を上げた。


翔汰は素っ裸でベッドに寝転んでいる。。

拓矢が、
ベッド脇に同じく裸で腰をおろした。


翔汰の右手が拓矢の右腕を掴み、
引き倒した。


そのままキスをする。


事務的に……
あまり盛り上がらない感じで………
『俺ら最近マンネリじゃない？……』

『ん……そうかも…』


キスをしながら、
気まづい雰囲気を出す。


『……俺、あのコ呼んだんだ』
拓矢が演出をした。


『え？あのコ？』
翔汰は「何のことだよ」といった風に目をしばたく。


スッ…とかのんが裸で現れる。

不自然だが、
ネット配信は短時間のため撮影時間も短い。



『こないだ逆ナンしてくれたかのん…
ね？一緒に楽しみたいよね……』
拓矢は口説くように、
かのんを抱き抱えてキスをした。
『ん……拓矢さ……んんっ』


ねっとりと、
ディープなキスをする拓矢とかのん。


『ん……ふっ………』
かのんの頬が蒸気する。

裸の脚を持ち上げてベッドに上がり膝立ちで拓矢にしがみつく。


拓矢はかのんの腰を抱え、上から噛み付くようなキスをしている。



翔汰の胸中にチリチリと不快感が生まれた。
演技ではなく、本当に…



拓矢は髪を垂らし、
左手でかのんの脚の付け根を擦る。。