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イカせ屋稼業
第11章 そのじゅう
『翔、疲れてるね?かなり………』
『ふん(うん)………』
2階に上がってバッタリとベッドに倒れ込んだ。
うつ伏せで伸びている翔汰。
『………どーした?
何かあった?』
拓矢が左手・左脚をずらしながら翔汰の上に乗ってくる。
『…………変な男と仕事した………』
まさかキスされたとも言えず、
翔汰はそう濁す。
『変な男?あ、男優のこと?』
『………拓、
KANAMEってガテン系の男優知ってる?』
『KANAME?
さぁ、知らないなぁ』
拓矢はごそごそと翔汰のTシャツを捲り上げていく。
そしてタンクトップから出た肩に唇を落とした。
『…………たく………』
(知らないってことは、マジで俺狙いか………)
翔汰は、
一方的にされたとは言え他のヤツとキスをしてしまった罪悪感が胸を抉った。
ゴロンと仰向けになる。
被さるような体勢の拓矢と目が合う。
『………翔汰、
好き』
拓矢が長いまつ毛を震わせて唇を重ねた。
翔汰は胸に宿る不快な塊――罪悪感だ――
を、吹き飛ばすように舌を差し込む。
クチュクチュと唾液を絡ませる。
息継ぎをして『明日から撮影できるね?』
そう言うと、
『うん。
経過はいいから。良かった、翔と〔怪我人コスプレ〕撮影出来るな♪♪』
拓矢は本当に嬉しそうだ。
触り合いをして、
抱き合ったまま眠りに墜ちた。