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イカせ屋稼業
第11章 そのじゅう
ふたりは自宅待機をしていた。


昼前になって、
やっと甲斐から連絡が来た。
『悪い!
今から迎えに行く』と。




バンワゴンは滑り込むように洋館の前まで速いスピードで入ってきた。


ふたりは乗り込む。

『甲斐さん、
大丈夫なんすか?行方不明っていつから?』
走り始めると翔汰は訊ねる。


『はー、
期待の大型新人だったんだけどなぁ。
1週間前から連絡が着かなくてさぁ。社長とアパートに行ってみたけど、
部屋はそのまんまあるんだ。
本人だけがどこ探しても居ない』

甲斐はやれやれと息をついた。


『まだ1本出したばっかの20歳の子でさぁ。
怖じ気付いてドロンってことはあり得ないしなぁ…
うちは絶対本人の志望以外での出演はさせないから、
消えるはずないんだけど』
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