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イカせ屋稼業
第11章 そのじゅう
駆けつけた翔汰は、女性の腕を掴んだ。

『よせよ。
嫌がってるじゃんか』

目の前に立つ、KANAMEを見据えた。


他にスキンヘッドの男•黒髪の長髪の男(この男だけ40代くらいの年齢だ)がそびえ立つように翔汰を睨む。

女性は震えながらも翔汰の腕を握り、
翔汰の背中に隠れるように動く。


『あれえ??
どちら様かと思いきや………
ショータくんじゃないですかあ??』
KANAMEはヘラヘラ笑いながら、
人を小馬鹿にしたような目つきで翔汰の全身をなめ回すように見た。



拓矢が追い付く。
『翔、こいつ?KANAMEって』拓矢も毅然とした眼差しでKANAMEを見据える。


『__大丈夫ですか?』拓矢は女性に穏やかに尋ねた。


18、9くらいか。
女性は無言で頷く。



『おいおい(笑)
俺たちの後輩に何優しく
言ってくれちゃってんの??』
KANAMEと他2人が笑う。



『後輩??』
翔汰が訊き返す。。


『女優ってわけ?』拓矢が女性ではなくKANAMEに尋ねた。



KANAMEは顎を右手で触りながら、『そうだよ?
ね~~~~??アヤメちゃん?』と近寄り、
女性の髪の毛を掴んで引っ張った。



女性はガタガタ震え『いやあ!!』と泣き声を出す。

カチンと頭に来た翔汰は、
『離せよ!つか女の子の髪引っ張んじゃねぇ!』
とKANAMEの腕に手を置いた。


視線が火花を散らして絡む。


KANAMEが手を離し、はあ……と息を吐いた。
空に目を向ける。
翔汰も目線を追った………その瞬間、KANAMEの拳がみぞおちに飛んできた。

『くっ!』寸前で腕を組んで防御した。



肘にKANAMEの拳が当たり、ジンジンと痛みが押し寄せる。


『へー、
ショータくんけっこ~ヤるんだねー?』
KANAMEは鼻で笑う。

_____本っ当に嫌なやつだ。
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