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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
「ええ?今だって85キロ出てるよ?」
不満な声の運転手。
『これで頼めませんか?』
拓矢は内ポケットから札束を3つ取り出した。
『300万っす』助手席にポイっと投げる。
『偽物じゃないですから』
「えっ?!
さ、300………………ありがとうっ、兄ちゃん!」
運転手の目の色が変わった。
(____礼を言うのはこっちだ)
拓矢は再びスマホに文字を打ち込み始めた……………………………………
________________________
15分後。
南千住の一角に到着した。
タクシー運転手に、
『悪いんだけど20分待ってて?』と告げた。
「ハイハ~イ、喜んで♪♪♪30分でも1時間でも待ちますよぉ~」
運転手はニコニコ笑う。
20㎞弱の距離で300万は効いたようだ。
_____拓矢は古い住宅地の道を歩いた。
『12の5…………
赤い屋根。【田河】の表札………よし』
一軒家に入る。
トタン屋根の長屋風の古い家。
開き戸をガタガタ引く。
埃臭い。
上がり框がある。
拓矢は上がり框に腰を下ろした。
そして………………
内ポケットから手袋を取り履くと、KANAMEの写真を取り出した。
黄色いTシャツを着た、
5歳くらいのKANAMEの写真。
『………………………だからって俺たちを潰す理由にはならない』
呟くと、
ペンを持ち〔了ちゃんへ
いつか迎えに来るね〕と写真の裏に書く。
わざと丸い文字にした。
写真を置くと、
拓矢は赤い屋根の【田河】宅を出た。
タクシーに乗り、
『戻ってください』と告げる。
不満な声の運転手。
『これで頼めませんか?』
拓矢は内ポケットから札束を3つ取り出した。
『300万っす』助手席にポイっと投げる。
『偽物じゃないですから』
「えっ?!
さ、300………………ありがとうっ、兄ちゃん!」
運転手の目の色が変わった。
(____礼を言うのはこっちだ)
拓矢は再びスマホに文字を打ち込み始めた……………………………………
________________________
15分後。
南千住の一角に到着した。
タクシー運転手に、
『悪いんだけど20分待ってて?』と告げた。
「ハイハ~イ、喜んで♪♪♪30分でも1時間でも待ちますよぉ~」
運転手はニコニコ笑う。
20㎞弱の距離で300万は効いたようだ。
_____拓矢は古い住宅地の道を歩いた。
『12の5…………
赤い屋根。【田河】の表札………よし』
一軒家に入る。
トタン屋根の長屋風の古い家。
開き戸をガタガタ引く。
埃臭い。
上がり框がある。
拓矢は上がり框に腰を下ろした。
そして………………
内ポケットから手袋を取り履くと、KANAMEの写真を取り出した。
黄色いTシャツを着た、
5歳くらいのKANAMEの写真。
『………………………だからって俺たちを潰す理由にはならない』
呟くと、
ペンを持ち〔了ちゃんへ
いつか迎えに来るね〕と写真の裏に書く。
わざと丸い文字にした。
写真を置くと、
拓矢は赤い屋根の【田河】宅を出た。
タクシーに乗り、
『戻ってください』と告げる。