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君をこんなに愛してる
第8章 大事だから
《 僕 》という存在を生み出そうと、決定したのは両親だった。
愛する息子が抱える病は、いつ、どこに牙を立てるかわからない。
だから彼等は《 代わり 》を作った。
普段は一ヵ所に預けておいて
必要なトキに取り出せる。
…ああ、まるでお金を銀行に預けるみたいな
そんな行為に似ているかもしれない。
.............
「絢人さんが、病気…っ…!?」
「ええ」
「…し、知らない…!! そんな話、誰からも聞いたことない!」
「当然でしょう」
貴峰家の跡取りが不治の病に蝕まれているなんて、口外できるわけがない。