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君をこんなに愛してる
第8章 大事だから
「なんで鍵を閉めてるの!? 」
「…申し訳ない」
わたしはいよいよ冷静でいられなくなり
非難の目で彼に振り返った。
「わたしをこの部屋に閉じ込める気…!?」
「だって君が大事だから」
彼も椅子から立ち上がって、扉に向かって歩いてくる。
「……っ」
わたしは逃げるように部屋のすみに移動した。
しかし彼は逃げたわたしを追いかけようとはしないで、そのまま扉にたどり着くと、指にさげた鍵をさす。
「君は僕の想いを信じてくれない。だから、僕がどれだけ君を大事に思っているかを知ってほしくて」
それでこの部屋に連れてきたんです。
彼はその言葉とともに扉を開ける。
「…お腹を空かせている筈です。今、料理を持ってきますからね」
──…パタン
出て行った。
その後に、静かに鍵を閉める音が聞こえた。