この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君をこんなに愛してる
第9章 白い世界の中で
コン コン
「入りますよ」
ノックに続いて鍵を開ける音。
そして開いた扉から《 彼が 》入ってきた。
小さな木製のワゴンにはトレーが乗せられ、料理が運ばれてきた。
「夕食──になってしまいましたね。どうぞ食べて下さい」
「…いら、ない」
「泣いているんですか?」
部屋の隅でうずくまるわたしを見て、心配の色を含んだ声がかけられる。
「……栞」
「…ヒッ…いや」
ワゴンをベッド横に放置して、彼はわたしの隣に膝をついて座った。
肩に手を添えられて、わたしは益々 縮こまる。