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君をこんなに愛してる
第10章 それでも君を……
「食事もとったみたいですね。君は料理を残さない人だからシェフも喜ぶでしょう」
部屋に戻ってきた彼はワゴンの上に目を遣って、空の皿を見つけると嬉しそうに話した。
「これは後で僕が片付けて起きます」
やっぱり彼は、わたしを部屋から出す気はないらしい。
「歯を磨きたければ、あそこ……あの戸の先に洗面室もバスルームも備え付けてあります」
「…あの…っ」
「…ああ、それとも、食後のデザートを食べますか?」
口ごもるわたしは彼と上手く会話ができない。
それでも彼は、わたしの表情を見て瞬時にさとってくれた。
「…それどころでは、ないですか」
「……うん」
「でしょうね。わかって…いますよ」
真剣な顔
…そして、複雑な微笑み。