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第3章 奇跡

周りの使用人仲間は、彼の生存を諦めている。

ここまで探しても見つからないのだから、そう考えるのが自然なのかも。

“ でもわたしは諦めない…!! ”

絢人さん

貴方はまだ生きてるわ。そうでしょう？



奥様の部屋に入ったわたしは、ベランダの植木鉢に水をあげる。


それには綺麗な青い薔薇が、まだ数えるほどだが立派に咲いていた。



《 君はここで待っていて下さい 》


あの日、ここで交わした約束──
わたしはきちんと守ってきたもの。


だからこれからも守り続ける。

貴方が帰ってきてくれるまで。

ずっと、ずっと、いつまでも……。