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君をこんなに愛してる
第3章 奇跡
《 貴峰 様 》
その名札が差し込まれた入り口を見つけたわたしは後ろの奥様に顔を向けた。
奥様が笑顔で頷いたので
一度、大きく息を吐いて…病室の戸をノックした。
「どうぞ」
この声───
「入ります…」
開けた先の部屋には
誰もいないベッドがひとつと…
その隣、窓に面した簡単な机の前で、腰かけた男の人。
「……あ」
「──…?…君は…!?」
こちらに振り向いた彼の顔
「絢人さん…!!」
これが奇跡なのかな
嗚呼……
わたしは、夢を見ているのかな……。