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第3章 奇跡

──…わたしと奥様は、使用人の運転する車に乗って病院へと急いだ。

そこに到着した後、ロビーを走るわたしは看護師さんに注意を受けた。

休日だったから、大病院は患者と見舞い客で溢れている。

それでもわたしには周りの人たちに意識を向ける余裕がない。

混んだエレベーターの中でさえ、わたしの目はひとつずつ上階を照らしてゆくランプを見つめるだけ。


はやる気を…どくどくと早打つ鼓動に変えながら

言われた階に飛び出した。