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君をこんなに愛してる
第4章 空白の記憶
「絢人さん…!本当に!?」
わたしはすぐに駆け寄った。
でも抱きつこうとした寸前で立ち止まった。
何故かというと…絢人さんの目が、わたしを見ても不思議そうにまばたきをするだけだったから。
“ あれ……? ”
「あ、の…」
「まさか、栞?──なんですか?」
数秒の間をおいて、絢人さんがやっとわたしの名前を呼んでくれた。
「栞…っ、やっと会えた…」
「…あ…っ」
そして部屋の真ん中で立つわたしを、椅子から腰をあげた絢人さんが抱き締めてくれた。