この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君をこんなに愛してる
第2章 奪われた幸せ
高層ビル群がどんと構えるこの街から
ちょうど電車でひと駅分。
街の喧騒から離れた場所にひっそりと奥ゆかしく、貴峰家の邸宅が建っている。
わたしは門の前にくるとスーツ姿の男の人に挨拶して、中に通してもらった。
前庭に広がる花壇の間をぬって、ゆるやかな白階段を一段ずつ上る。
そうして家の玄関まで辿り着くと、彫刻のほどこされた趣ある扉を開けた。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさいませ」
「お疲れ様です、執事さん」
迎えてくれた執事のおじいさんにも、同じ様に頭を下げた。