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君をこんなに愛してる
第5章 初めてのデート
「休日に植物園って、絢人さんらしいな」
「そうでしょうか」
だって子供の時だよ?
わたしは、まぁ…いろいろ事情があったから休日なんて与えられなかったけれど
それでも奥様に買われてこの家で働き始めてから、学校帰りに友達と遊んだりしていた。
「そう言えば…わたしがまだ中学生の頃かな?絢人さんと偶然、街で会ったんだけれど」
「その記憶はあります。八年ほど前では?」
「そう、その時…絢人さんは、ゲームセンターに行ったことがなかったの。UFOキャッチャー、したことないって」
「ふふ、そうでしたね」
絢人さんは笑うけれど
当時のわたしは本当に驚いた。
UFOキャッチャーもプリクラも、ボーリングも
…彼はその時、高校生だったのに!
「ハンバーガーも食べたことないって言うから、わたしは絢人さんに注意したのよ。
『 それじゃあ庶民の生活を知らない、駄目なおぼっちゃんになってしまいます。貴峰家のシェフが作る和食もフレンチも美味しいけれど、 ジャンクフードだって馬鹿にならないのですよ 』
──…って、なんでか怒っちゃった」
そう、何故か怒ってしまった。
別にジャンクフードなんか食べなくても生きていけるんだけど(むしろ食べない方が健康にいいけど)
心配になってしまったから。