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君をこんなに愛してる
第7章 目を覚ませば
後ろに倒れたわたし
叫んだ彼は支えようと手を伸ばしたけれど間に合わず、わたしは背後の壁に頭をしたたかに打ち付けてしまう。
痛い……。
「栞!? 大丈夫ですか!? 」
視界がぐらついた。
いけない
このままだと
「頭を打ったんですか!? 怪我は…っ」
このままだと意識が……。
「…ッ ちゃんと返事をしてくれ!! 栞…」
“ あ、敬語が消えてる… ”
薄らぐ意識の中で
倒れたわたしを抱き留めた彼の声が響いている。
こうやって、ふとした時に敬語が消える──
そんなところまで絢人さんと同じなのね。
わたしは呑気にそんなことを考えながら、彼に抱かれたまま目を閉じた───。