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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第46章 最終話【睡蓮】 四

お彩は立ち上がり、そっと部屋の障子を開けた。縁に立つと、庭の池に浮かんだ睡蓮が一斉に花開いているのが見えた。
温度差のせいか、庭には白い霧がうっすらと立ちこめている。朝露の残る庭を辿り、池のほとりまで来ると、さざ波に揺れる睡蓮が霧から浮かび上がるように咲いていた。
淡紅色の花が競い合って咲き乱れる様にしばし見惚とれた。艶やかでありながら、神々しいほどの清浄(しようじよう)感は睡蓮の花ならではだろう。
―もう二度と、このひとの傍を離れない。
改めてそう思わずにはいられない。
そっと吹きすぎた朝の風に、睡蓮の花が霧の中で揺れた。
お彩は、その花のあまりにも清潔な美しさに打たれ、いつまでもその場を離れられないでいた。
温度差のせいか、庭には白い霧がうっすらと立ちこめている。朝露の残る庭を辿り、池のほとりまで来ると、さざ波に揺れる睡蓮が霧から浮かび上がるように咲いていた。
淡紅色の花が競い合って咲き乱れる様にしばし見惚とれた。艶やかでありながら、神々しいほどの清浄(しようじよう)感は睡蓮の花ならではだろう。
―もう二度と、このひとの傍を離れない。
改めてそう思わずにはいられない。
そっと吹きすぎた朝の風に、睡蓮の花が霧の中で揺れた。
お彩は、その花のあまりにも清潔な美しさに打たれ、いつまでもその場を離れられないでいた。

