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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第12章 第五話 【夏霧】 其の壱

それがお彩と自分の恋を指しているのだと判り、お彩の頬がうっすらと染まった。
そんなお彩を眩しげに見つめ、伊瀬次は肩をすくめる。
「何があったのかは知らねえが、おきみさんが出ていったのはもう三年も前の話だ。お彩ちゃんには一切拘わりのねえことだ、お前がくよくよすることはねえ」
お彩は伊勢次の言葉に頷いてみせたけれど―、他人さまのことだからと割り切ることばできそうにもない。
その中(うち)、店はますます大勢の客でごった返してきて、伊瀬次との話もそこで終わりとなった。
そんなお彩を眩しげに見つめ、伊瀬次は肩をすくめる。
「何があったのかは知らねえが、おきみさんが出ていったのはもう三年も前の話だ。お彩ちゃんには一切拘わりのねえことだ、お前がくよくよすることはねえ」
お彩は伊勢次の言葉に頷いてみせたけれど―、他人さまのことだからと割り切ることばできそうにもない。
その中(うち)、店はますます大勢の客でごった返してきて、伊瀬次との話もそこで終わりとなった。

