この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第13章 第五話 【夏霧】 其の弐

水浅葱色(薄い藍色)の着物の後ろ姿は、紛れもなく、おきみである。青色がかった地色が好きなのか、前に見たときも水色襦子の着物を着ていたように記憶している。涼感のある水浅葱の着物は、裾の方に水の綾の模様が描かれている。少しうつむき加減に水面を見つめるその横顔を愁いが彩り、着物の色がいかにも涼しげであった。
「おきみさんじゃありませんか」
思い切って声をかけると、おきみは、ゆるりと振り向いた。
「あなたは」
おきみの淋しげだけれど美しい面に愕きの表情がひろがる。
「少しお話しても良いですか?」
お彩が遠慮がちに言うと、おきみは頷いた。
「おきみさんじゃありませんか」
思い切って声をかけると、おきみは、ゆるりと振り向いた。
「あなたは」
おきみの淋しげだけれど美しい面に愕きの表情がひろがる。
「少しお話しても良いですか?」
お彩が遠慮がちに言うと、おきみは頷いた。

