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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第18章 第七話 【雪花】 其の参

もうはるか前―、三年前に「花がすみ」の奧の席で一人酒を呑むこの男を見たときから、こうなることは既に決まっていたことのようにさえ思えた。名前さえも知らぬこの男と恋に落ち、こうして結ばれるのが自分の運命(さだめ)であったのだと、お彩はこの時、しかと思った。
男とのゆく末には何もない。希望のかけらもひとすじの光さえもお彩と男の未来には見い出せない。いや、そもそも、自分たちに未来と呼べるものがあるのかも判らなかった。
こうして初めて身体を重ねて男と女の関係になっても、この次の逢瀬があるのかすら判らない。
それでも、いや、だからこそ、男と共に過ごす今というこの瞬間(とき)を大切にしたいと思う。
男とのゆく末には何もない。希望のかけらもひとすじの光さえもお彩と男の未来には見い出せない。いや、そもそも、自分たちに未来と呼べるものがあるのかも判らなかった。
こうして初めて身体を重ねて男と女の関係になっても、この次の逢瀬があるのかすら判らない。
それでも、いや、だからこそ、男と共に過ごす今というこの瞬間(とき)を大切にしたいと思う。

