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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第14章 気持ちのすれ違い
私は今日も仕事帰りに、SUNでお酒を飲んでいる。
誕プレデートをしてから2週間、出張に行った海音とまた会えない日が続いていた。
次の約束がない状態がこんなにも、もどかしくて不安になるなんて思わなかった。
相変わらず連絡無精な海音からは、電話はなくメールもたまにあるだけ。
そんな状態でも時間は過ぎていて、外はすっかり夏直前の暑さになっていた。
「そっか転勤となると、渚が少しでも会いたくなる気持ちもわかるなぁ。」
希がビール片手に頷く。
「出来るだけ一緒にいたいって思うんだけど、なかなか会えないし、最近焦ってる。」
そう私は前にも増して、海音にメールを送っている。
“次はいつ会える?”
“いつ帰ってくるの?”
“会えそうな日決まったら、連絡して。”
そんな内容のメール。
海音からはたまに
“忙し過ぎて先が見えないから、予定がたてられない!”
そんなメールが返ってくるだけで、私からのメールばかりが増えてしまっていた。
「けどさ、渚。告白した時に、海音は忙しくて余裕ないってちゃんと伝えてるよね?」
「…うん。」
「それでも渚はいいって言ったわけじゃん?」
「…うん。」
「だったらあまりしつこくしない方がいいんじゃないの?焦る気持ちは、わかるけどさ。」
「…うん。」
希が言いたい事もよくわかる。
告白した時にそこは、ハッキリ言われた。
会えない状態になる事は、ちゃんとわかっていた。
思った以上に転勤の事が、私の中に響いていた。