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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第14章 気持ちのすれ違い

RRRRR…♪
お店の電話が鳴る。
「はい、居酒屋SUNです。…うん…うん…今日は開いてるけど、今から来るの?…うん…。」
希の様子が何だか怪しい。
私の方をチラッと見て、何だか気にしている。
“誰?私が知ってる人?”
電話を切った希が、私にため息をついてから言う。
「カイ、今から飲みに来るって。帰ってきてるみたいだね。」
「えっ?私にはそんな連絡なかった…。」
明らかに動揺してしまった。
「渚!しっかりしな!別に浮気したりしたわけじゃないんだし、カイだって時間なかったんじゃないの?現に今だってもう、こんな時間だし!」
「希には私の気持ちなんて、わからないよ!」
最悪…。
他のお客さんもいるのに、大きな声をだして、希に当たってしまった。
希が言うのは正論だし、私を心配してくれてるのに。
そんな自分にも腹が立って、辛くなってきた。
「もう帰る!」
お金を置いて立ち上がった私に希が言った。
「渚!落ち着きなって!」
カウンターから出てきた希に抱き締められた。
「大丈夫だから!ちゃんと信じてあげな!」
希が私の体をギュッとしてくれる。
「希、ごめんね。」

