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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第14章 気持ちのすれ違い

何度目かのキスの後、海音が唇を離して私の頬を撫でる。

「渚、色っぽい顔して俺を誘ってんの?」

「海音がビール飲ますからっ…。」

「酔ってる渚はエロイから好き。そろそろ布団敷こう。」

そう言って海音が、布団を敷き始めた。

薄暗い部屋に1枚だけ敷かれた布団。

この後の展開を想像してしまって、恥ずかしくなってきた。

「おいで!」

先に布団に入った海音の横に体を入れた。

海音の家のベッドは大きいからゆとりがあるけど、さすがにシングルサイズの布団だと距離が近い。

このシチュエーションに、いつも以上にドキドキする。

「渚、何で緊張してんの?」

海音の腕の中に閉じ込められて、心拍数も更に上がる。

「海音が近くてドキドキする。」

「布団狭いから、離れられないからね。と言っても、今夜はずっと離すつもりないけど。」

海音の唇が私のおでこに触れる。

その後、瞼に頬に海音の唇が下がってくる。

待ちきれなくて、唇を少し開いて海音の唇に近づくと

「ふふっ。すぐにあげるから。それより今日は、全身で俺を感じてほしいから、コレして。」

海音の手にはタオルがあって、私が返事をする前に、私の瞳がタオルで縛られて見えなくなった。

「いやっ、海音こわいっ。」


「大丈夫。どこにも行かないから。」

海音の手が私の頬を撫で、耳元に海音の息が吹き掛けられる。

「渚は俺の顔が好きって言ってたから、顔が見えなくても、俺を感じさせたい。今日は視覚以外で、俺を感じて。」
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