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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第4章 カイさんの事
先程の急な余韻に酔いしれながら時計を見ると、すでに日付が変わっていた。
もう閉店の時間だ。
希にタクシーを呼んでもらい、私も帰る事にした。
「渚!今日もありがとー!おやすみっ。」
希がタクシーまで見送ってくれる。
「また来るね!」
そう言って、私はタクシーに乗り込んだ。
タクシーの中で、今日の事を思い出してニヤニヤしてしまう。
カイさんが、私の髪を撫でた感触が今も残っている。
“こんな事になるなら、もっと髪の手入れをしておけば良かったなぁ。”
そんな事を考えながら、カイさんの優しい瞳を思い出す。
“カイさん…”
「海音!俺この名前、めっちゃ好きなんだ。」
そう言ったカイさんの笑顔が、すごく印象的だった。
前田海音、33歳。関西出身。
彼のいろんな事を、知る事が出来た1日だった。