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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第5章 カイさんの誕生日
あの日から、1ヶ月。
今日は、仕事帰りにSUNに寄る。
週末という事もあり、お店の中も賑やかだ。
希は、忙しそうにオーダーを受けていた。
お店に入りチラッといつもの場所を見ると、すでに常連さんと飲んでいるカイさんを発見。
運良く空いていた隣りの席に
「こんばんは。」
と、声を掛けて座った。
「今日は、もう随分飲んでるんですか?」
「俺もさっき来たとこ。」
今日は、この前みたいな話しやすい雰囲気ではなく、会ったばかりの頃のクールな感じのカイさん。
“この前だけ、何か違う雰囲気だったなぁ。”
前回とのカイさんの雰囲気の違いを不思議に思いながらも、カイさんの隣りでお酒を飲んでいた。
カイさんを見ると、相変わらず飲むペースが早い。
仲良しの常連さんと、話ながらも、私とも他愛のない話をしてくれる。
ちょうど、今月が誕生日のお客さんがいて、カイさんと誕生日の話になった。
「ナギちゃんは、何月生まれ?俺は来月。」
「私も来月です!来月の20日。」
「俺は3日。同じ誕生月なんやね。」
同じ誕生月…。
ただそれだけでも、共通点があった事がすごく嬉しい。
“せっかくだから、誕生日お祝い出来たらいいな。”
そう思いカイさんに、思い切って伝えてみる。