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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第19章 神奈川ラストデート☆江ノ島

江ノ島に着いて電車を降りると、海音が気持ち良さそうに声をかけてくる。

「ねぇ、渚。風に乗って潮の香がするよっ。あぁ、海っていいよねー。」

ハードスケジュールで少し疲れた顔をしていた海音。

何だか気分転換になったようで、私も嬉しい。


「はい、渚。」

海音が私に手を差し出すので、私はその手を握る。

「じゃっ、島の中行こうか。」


島の入口の所に猫がいた。

「かわいいなー。」

海音の顔がほころぶ。

「海音、動物好きなの?」

「うん、猫も好きやし、猿とかも好き。昔、エアコン買おうか猿買おうか悩んだ事あるくらい。」

「そこ悩むとこ?普通猿飼おうとしないでしょ。」

「結構、可愛いよ。」

海音は猫に近寄ると、ヨシヨシと触っている。

猫と戯れる海音もまた絵になる。

その姿を残しておきたくて、私は写真を撮った。

「ここにいる猫って人懐っこいんやねー。」

「そうなんだよね。可愛いしね。でも海音もなんか猫っぽいよね。」

「よく言われる。」

そう言って海音が、楽しそうに笑った。
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