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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第21章 ラストデイ☆待ってるから!

私達の前に新幹線が来る。
新幹線が通った風で、海音の黒髪がフワッと揺れた。
握られた海音の手が、離れると海音がもう1度私の髪を撫でる。
「瞳閉じて…。」
海音に言われて、瞳を閉じるとおでこにチュッと優しいキスをされた。
そのまま海音が自分のおでこを私のおでこにくっつけた。
「渚、行って来ます!」
「うん、行ってらっしゃい!」
海音がおでこを離すと、私に手を振って新幹線に乗り込む。
新幹線のドアが閉まる合図が聞こえて、ドアが閉まると海音の口が大きく動く。
『あ、い、し、て、る、よ!』
海音がそう言って笑顔で手を振ると、電車が動いた。
「私も、私もだよ!愛してる。」
人がいるのも気にせず、私は叫んでいた。
海音が1度うん!て頷くのが見えて、完全に海音の姿は見えなくなった。
海音!愛してる!誰よりも愛してるから!
私は見えなくなった新幹線の方をしばらくずっと見ていた。

