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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第21章 ラストデイ☆待ってるから!

「渚、こっち見て。渚の可愛い顔たくさん見ておきたい。」
そんな事を言う海音が、たまらなく愛しく思える。
「私も格好いい海音の顔、たくさん見たい。」
手を握って見つめあう2人は、他からみたらバカなカップルにしか見えないだろう。
でも、そんな事は気にならないほど、2人でいる時間を大事にしたかった。
そんな時間もあっというまに過ぎて、新横浜に着いてしまった。
新幹線のホームまで見送る為、入場券を買う。
海音が乗る新幹線の時間まで、あと10分。
ホームに上がる前に海音が、人の少ない柱の後ろに私を連れていく。
柱で見えなくなった瞬間、私の体は海音にきつく抱き締められた。
「渚、愛してるよ。できるだけ連絡するようにするから。ちゃんと、頑張って渚を貰いにまた来るから。」
「うん。ありがと。待ってるから。海音、私も誰よりも愛してる。」
私がそう言うと、海音が私の頬を両手で掴み、上を向かせる。
海音の優しい瞳が、ユラユラと揺れている。
そんな海音の瞳が閉じると、私の唇に優しいキスがおとされた。
海音が、優しく微笑んで、ポンポンと頭を撫でる。
「渚、いろいろとありがとう。神奈川で渚に出逢えた事、本当に幸せだと思ってる。離れてても、気持ちはいつも、繋がってるから。だから、信じて待ってて。俺が絶対に渚を幸せにするから。」
海音の力強い真っ直ぐな瞳を見て、私も強く頷いた。
「そろそろホーム行こうか。」
海音とホームで新幹線を待つ。
あと少しの時間しかないけど、今海音といる時間を感じたい。
海音の腕に掴まりながら、海音を見上げる。
「今日は見送りまでしてくれて、ありがとう。」
海音の瞳が潤んでいる。
「ううん。私が来たかっただけだから、少しでも一緒にいたかったから。」
「ありがとう。」
海音が私の髪を撫でながら、私を見つめる。
そう、SUNで初めて海音が私にくれた瞳。
あの時と同じ瞳。
私が恋した瞳。

