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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第6章 お泊まりは突然に

あれからSUNに行っても、なかなかカイさんに会えない日が続いた。

明日は仕事が休みなので、今日はゆっくりできる。

“カイさんに会えますように…”

いつものようにつぶやいて、ドアを開けた。


「いらっしゃいませ。」

希の声が聞こえる。

今日もお店の中は、お客さんがたくさんいて、賑わっていた。

カウンター席が満席なので、どうしようか迷っていると、希がテーブル席の椅子を持って来て

「ここ、ちょっとつめてー。」

と、お客さんに声を掛ける。

「ん?あ!ナギちゃん、どうぞどうぞ。」

振り返ったカイさんが、席をつめて隣りをあけてくれた。

「ありがとうございます。」

希が私にウインクして、椅子を置いてくれた。

“希、ありがとーっ!”


「今日は、仕事だったの?」

「はい。明日は休みなんで来たんですよ。」

「俺も明日は夜勤だから、ゆっくりできる。」

すっかりお酒が入ってるカイさんは、饒舌だ。

しかも、仲良しの常連さんと乳首当てゲームなるものをやっている。

「ナギちゃんも、カイの乳首どこか当ててみて。」

酔った常連のおじ様が私に言ってくる。

「ほらほらっ!」

と、カイさんまで、私の方を向いて上着をはだけさせた。

「どこやろなぁー。」

2人が楽しそうに言う。

私は覚悟を決めて、指でカイさんの乳首があるだろう所を押してみた。

「あぁ!おしーい。残念でしたー。」

カイさんとおじ様が爆笑している。

完全に酔っ払いの世界がここには、広がっている。

そもそも私は、こういった感じは、嫌いではない。

お酒が入るにつれ、いつしか私もこの完全な酔っ払いの世界に、仲間入りをしていた。


こうして、酔っ払い3人の楽しい時間は過ぎていった…。
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