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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第6章 お泊まりは突然に
カイさんを見ると、何だかすごく楽しそうだ。

でも、さっきより酔いが回り始めているのか、目尻も下がり少し眠そうにも見える。

「眠くないですか?」

私が聞くと

「大丈夫。髪乾かすから、じっとしてて…。」

カイさんの手が私の髪に触れ、ドライヤーの温かい風が私の髪を揺らす。

「風、熱くない?」

「平気です…。」

男の人に髪を乾かしてもらうのは初めてで、すごくドキドキする。

カイさんの綺麗な指が、私の髪に触れている。

鏡ごしに見るその光景は、まさに夢のような光景。

幸せな時間とは、こういう事をいうのかもしれない。

「髪、柔らかいね。気持ちいい…。」

私の髪に指を絡めながら、カイさんが呟く。

恥ずかしくて、鏡の中のカイさんから瞳をそらした。

……。


ドライヤーの風がやむ。


顔を上げようとした瞬間、後ろからカイさんに抱き締められた。


「俺と同じ匂いがする。」


耳元で聞こえるカイさんの声…。


「渚…、部屋行こうかっ」

カイさんが優しく囁いた。
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