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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第2章 友達のお店
「はぁー。昨日も仕事大変だったよー。休日のエステは癒されるー。」
私、春原 渚。29歳。普通のOL。
毎日仕事と家の往復を繰り返す日々。
もちろん、そんな生活で彼氏などいるわけもなく、唯一の贅沢は月に2度訪れるエステ。
現在、そのエステ中なのだ。
「渚、最近はどうなの?」
エステティシャンの真美が、私のむくんだ足をゴリゴリとマッサージしながら聞く。
「ぎゃー!痛い痛いっっ!」
「もうさ、足むくみすぎだから。また、お酒ばっか飲んだ生活してるの?」
「うーん。お酒好きだから、ついついね…。」
エステティシャンの真美とは、昔からの友達で長い付き合いになる。
真美も私もお酒好きで、一緒に飲みに行ったりもする。
私は1人でも、赤提灯がぶら下がっているような酒場にも飲みに行く。
男っぽいサバサバした性格なので、すぐに周りのお客さんと仲良くなる。
でも、飲みに行くお店がお店なので、常連さんの年齢層も高く、出逢いが全くないのが残念なところ。
「そういえば、希(のぞみ)って覚えてる?」
「覚えてるよ。希がどうしたの?」
「最近この近くで、居酒屋始めたんだよ。SUNてお店。ランチもやってるから、帰り寄ってみたら?」
「そうなんだぁ。行ってみようかな。」
真美が教えてくれた友達のお店。
ここでの出逢いが、私のこれからを大きく変えてしまうなんて、この時はまだ知るよしもなかった。