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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第8章 幸せからの落とし穴
明日は誕生日。
すっかり忘れていた。
カイさんとお祝いする事は出来なくなったけど、希の気持ちが嬉しかった。
「ありがとう!明日行くね。」
電話を切ってから、私はカイさんの事、希に言われた事を考えていた。
カイさんの家に1番近い希のお店SUN。
仕事が遅くなるカイさんは、帰り道にあるSUNがお気に入りだ。
あの近くに飲み屋さんは、他にない。
私の事でカイさんが、SUNに行かないのなら、それはカイさんに申し訳ない。
気にしないで、お店に行ってもらいたい。
でも、その事を伝える術がない。
しばらく考えて、私はある事を思い付いた。
住所は知らないけど、家はわかる。
手紙を書いて明日SUNに行く途中に、カイさん家のメールボックスに手紙を入れる事にした。
私は、便箋を出して、カイさんに手紙を書いた。