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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第8章 幸せからの落とし穴

あれから2週間。
SUNには1度も行ってない。
連絡先を知らない為、カイさんともあれから会っていない。
あの日の事を忘れるように、この2週間私は仕事に没頭していた。
今日は休みだけど、何もしたくない。
家でボーッとしていると、私のガラケーが鳴った。
「渚!最近来ないけど、この前カイと一緒に帰ってから何かあったの?」
電話は希からだった。
SUNに行けば、いつかカイさんに会う。
“希にはちゃんと話さないと。”
そう思い、あの日の事を希に話した。
「そっか…、そんな事があったんだね。あの日以来、カイもお店に来てないんだよ。多分反省してるんじゃないかな。」
「私に会いたくないから、来ないんだよ。」
私がそう言うと、希はハァーと大きくため息をついて
「酔ってたら、そういうの関係なくなるじゃん。むしろ、渚が嫌な思いしないように、来ないんだと思うよ。酔ってない時の普段のカイは真面目だから。」
私よりもカイさんの事を知っている希。
その希が言うのだから、そうなのかもしれない。
「そうだね、ごめん。」
「それより!明日、渚誕生日でしょ。遅くなってもいいから店おいで。皆でパーッとやろう!」

